【イベント/群馬】「前橋バルストリート」にキッチンカーが出店!

このたび、北関東最大級の屋外フードフェス「前橋バルストリート2024(群馬)」に白岳しろキッチンカーが出店いたします。

【イベント概要】
日 時/2024年9月14日(土)15日(日) 10:00~21:00
場 所/群馬県前橋市表町2丁目駅前通り(ケヤキ通り)
公式HP/ https://maebashi-bar-street.com/
駐車場/専用駐車場はございません。お近くの駐車場をご利用ください。

「カッコイイお店が本気で作る カッコイイ大人の休日」というコンセプトを掲げたこのイベント。
当日は約120店舗が出店予定。

アーティストによるライブステージやダンスグループが出演予定です。

昨年も大盛況だった白岳しろキッチンカーへ、ぜひお誘い合わせの上でご来場ください!

第239回 捕われの獣

犬も歩けば棒に当たる、と言うが、私もその例に漏れない。
あの日、近くの里山を歩いていると、罠にかかった獣を発見した。体長30センチくらいの褐色の体毛をしたスレンダーな獣だ。必死で罠から逃げ出そうとしているが、残念ながらうまくいかないようだ。罠は踏み板式トラップで金属網の檻になっていた。一度、蓋が閉じると自力で中から出ることはできないようだ。
獣は私に気がつくと、暴れるのをやめ、すがるように私を見た。なんだか涙ぐんでいるようで、その目を見ていると、可哀想でたまらなくなった。
罠は、ネズミ捕りと構造は同じだった。私は罠に近付いて、仕掛けになっている蓋を上げてやった。獣は、その瞬間に喜んで外に飛び出す。それから逃げ去ろうとするときに獣は立ち止まり、振り返ると何度も頭を下げた。喜んでいる。私に感謝の気持ちを伝えたかったのだろう。よしよし。もう二度と罠に捕まるようなヘマをするんじゃないぞ、と私は呟いた。
帰りがけ、自分がなにか善行をした気分でうきうきしていたことは隠さなくてもいいだろう。しかし、あの獣はいったいなんだったのだろう?狐にしては小さすぎるし。
その夜のこと。夜は何を食べよう、面倒だなぁ。とテレビを見ていると玄関を叩く音がする。
誰だろう?
あわてて立ち上がり玄関へ行き、ドアを開くと若い女の子が立っていた。上品な褐色の服を着ていて、深々と私に頭を下げた。知った顔ではないが、とても美しくスレンダーでスタイルもいい。よもや。
すると彼女が言う。その声は、鈴が転がるような心地よい声だった。
「今日、危いところを助けていただいたものです。本当にありがとうございました。嬉しくてお礼にうかがいました」
えっ!今日……。ということは、実は、昼間に罠から救ったのは、この美女だったということか。美女が化けた姿?狐は化けると聞いたことがあるが、そうか、あれは狐より小さいから、イタチだったのか?
イタチに化かされたという話も聞いたことはあるような気がする。私は悪戯心を起こした。
「それは。それは。よくおいで下さった。狭いところですが、おあがり下さい」
女は申し訳なさそうに部屋に入ってきた。どこから見ても人間だ。こんなにうまく化けられるものか、と感心した。
女にお茶を出すと、女はゆっくりと、部屋を見回した。
「あの。お礼にあがりましたが、何を持参したらいいのかわかりません。とりあえずお話をうかがってからがよいかと思いまして。現在、何かお困りのこと、不便なこととかありませんか?」
「いや、気楽なひとり暮らしで別に困っていることはありません。男やもめで少々部屋が汚いのは仕方ないと思いますがね」
そう答えると、女は、ぽんっと手を叩いて立ち上がり、前掛けをつけて「わかりました。では、部屋を片付けさせていただきます」
ぽかんとしている私を尻目に、女は箒がけ雑巾がけを始めた。何という行動力なのだろう。
みるみる部屋はぴかぴかに磨きあげられた。とても私の部屋とは思えない。
「お食事はすまされましたか?」
「いや、即席焼きそばでも作るつもりでした」
「そうですか」と女は立ち上がり冷蔵庫から何かあり合わせの食材を取り出すと、てきぱきと何やら作り始めた。
「お待たせしました」
テーブルの上にあったのは初めて見るような高級料理。うまい。奇跡のようだ。「いやぁ、こんなお嫁さんがいたら、素晴らしいだろうなぁ」と思わず漏らす。「そうですか。嬉しいです。ぜひ、私をお嫁さんにして下さい」と女が言った。
一瞬、ワクワクしたものの思いなおした。彼女はイタチなのだ。それはまずいのではないか?
「そればかりは、許されないのではありませんか?人間と獣の婚姻というのは、昔から民話では悲劇的な結末ですよ」
「そうでしょうか」と女は言った。すると、突然女は立ち上がりピタンと飛んだり床をごろごろと転がったり。
何をやっている。この女は!!と驚いた。目を離そうとするが目が離せない。私はくらくらして意識が遠のいていった。
目が醒めると、そこには誰もいなかった。
それから、数年が経つ。あの美女を時々思い出すが、あれはイタチなのだと自分に言いきかせた。ある日、玄関に彼女がいた。心がときめいたが、どうしたんだ。そう尋ねると女は「結婚しましょう。私のお腹にはあなたの子がいます」
私はエー!と驚く。何故?
「私はオコジョなのです。オコジョが獲物を捕まえるとき、踊りを舞うのをご存知ですか?あれは、獲物に睡眠術をかけているのです。あなたには結婚願望があった。それを見抜いたから、あの踊りを舞って……」エーッ。
「でも、あれから、随分と時が経っている」
「オコジョは着床遅延という能力があります。出産に適した時期まで受精卵を着床させません。そして今、子宮着床になったんです」
そうか。ならば私は責任をとらなくては。
こうしてオコジョの女と私は結婚してはや十数年、今も幸福な生活を送っている。
息子ももう高校生だ。息子が「今度、ぼくのオコジョを紹介するよ」
それは彼女のことだろう、と訂正するのだが、息子にとっては彼女のことを「オコジョ」としか言えない。それはオコジョの血をひく本能らしい。まぁそのくらい仕方ないか。

【白岳伝承蔵】台風10号による臨時休館とオンラインショップ発送遅延のお知らせ

平素は格別のお引立てを賜り、厚く御礼申し上げます。

熊本に接近中の台風10号の影響により、明日8月29日(木)終日を臨時休館とさせて頂きます。
※8月30日(金)の営業状況については改めてお知らせいたします。

また、伝承蔵の臨時休館に伴いまして、HAKUTAKE ONLINE SHOPでご注文いただいた商品発送につきましてもお荷物の到着に遅れが生じる場合がございます。

お届け希望日時をご指定いただいている場合でも、ご指定通りの配送ができかねることがございますのであらかじめご了承ください。

お客さまにはご迷惑とご心配をお掛けいたしますが、何卒ご了承いただきますようお願い申し上げます。

【イベント/東京】天真爛漫×KAORU星空BAR@ニューみるく開催!

天真爛漫×KAORU星空BAR@ニューみるく

熱い宴が大好きなみなさま、お待たせいたしました!

毎回大好評の熊本の超人気焼酎BAR 天真爛漫と白岳KAORUのコラボイベント「天真爛漫×KAORU 星空BAR」が、今年も東京の夏をジャックいたします!

会場は東京・丸の内ハウスの「ニューみるく」で、これまで大きな人気を誇ってきた本格米焼酎オリジナルカクテルを今回も多数ご用意しております。

ドリンクメニュー

・ニューみるくの名物カクテル“みるくハイ(しろ)”
・華やかな吟醸香がたまらない“KAORU星空ハイボール”
・全国のイベントで大人気“KAORU星空レモンサワー(甘口/辛口)”
・天真爛漫といえばコレ!“銀しろハイボール”と“銀しろレモンサワー”
・熊本の恵みと職人たちの想いを蒸留した正統派「ドライジン」BEAR S BOOK
・ハーバル&フローラル系のボタニカル “BEAR’S BOOK THE MAGIC”

当日は彩り豊かなDJも登場し、華やかな音楽と熊本の飲み屋街で知らない人はいないと言われる名物オーナー中川ひとみママのトークで東京の熱い夜を盛り上げてます!
DJ EVENT

また、ニューみるくと同じ丸の内ハウス7Fフロアの「来夢来人」や「MUSMUS」でもKAORU星空BARが期間限定で開催され、KAORU抹茶マティーニ(来夢来人)やKAORUお茶割り(MUSMUS)などのオリジナルカクテルが提供される予定です。

イベント期間は8日19日(月)~8月23日(金)までの5日間で、丸の内ハウス「MUSMUS」の絶品料理も楽しめるおすすめのイベントですので、ぜひお越しください!

《本日発売開始/限定200本》「HAKUTAKE The BLEND 極(きわみ)25度720ml」について

先日ご案内いたしました「HAKUTAKE The BLE2ND 25度900ml」ですが、本日10:00より限定200本の販売を開始させていただきます。

◆ご購入はコチラから

昨年に続きHAKUTAKE The BLENDの第二弾となる「極(きわみ)」は甕(かめ)貯蔵の長期熟成酒と全麹仕込みの原酒をブレンドした贅沢仕込みで、芳醇な香りとコク深い味わいが特長の一本です。

ラベルやボトルのデザインは「川面に映り込む木々の緑と、鮮やかなカワセミ」をモチーフにしており、人吉球磨の自然がもつ静謐さを深緑の色合いを基調に表現いたしました。
飲み方は、ロック・お湯割り・ソーダ割りがおすすめ。
全麹仕込みと甕貯蔵が織りなす「極深」の世界をぜひお楽しみください。
なお、今回の「HAKUTAKE The BLEND 極」は限定生産品の為、200本が売り切れ次第販売終了となります。

ご購入の際はお早めに!
※本商品は化粧箱・熨斗・ラッピングはありません。予めご了承ください。

【8/8(木)10時販売開始/限定200本】HAKUTAKE The BLEND 極(きわみ)

8月8日は「お米の日」。
そして、そのお米と清冽な水でつくられてきた米焼酎ブランド「球磨焼酎の日」でもあります!

そんな8月8日に、このたび一部流通にて限定販売しておりました「HAKUTAKE The BLEND 極 25度 720ml」を
HAKUTAKE ONLINE SHOPでも数量限定で販売いたします。

 

いつもより少し贅沢な「白岳」

 

◆『HAKUTAKE The BLEND「極(きわみ)」』限定販売情報
価格/1,485円(税込)
容量/720ml
度数/25度
販売本数/200本
※ご購入本数はお一人様6本までとさせていただきます。
販売開始日/8月8日(木)10:00
商品ページ/
https://hakutake-shop.jp/view/item/000000000176

【商品について】
昨年に続きHAKUTAKE The BLENDの第二弾となる「極(きわみ)」は甕(かめ)貯蔵の長期熟成酒と全麹仕込みの原酒をブレンドした贅沢仕込みで、芳醇な香りとコク深い味わいが特長の一本です。
ラベルやボトルのデザインは「川面に映り込む木々の緑と、鮮やかなカワセミ」をモチーフにしており、人吉球磨の自然がもつ静謐さを深緑の色合いを基調に表現いたしました。
飲み方は、ロック・お湯割り・ソーダ割りがおすすめ。全麹仕込みと甕貯蔵が織りなす「極深」の世界をぜひお楽しみください。
なお、今回の「HAKUTAKE The BLEND」は限定生産品の為、200本が売り切れ次第販売終了となります。ご購入の際はお早めに!
※本商品は化粧箱・熨斗・ラッピングはありません。予めご了承ください。

夏季休業日のお知らせ

平素より弊社商品をご愛顧いただき、誠にありがとうございます。
誠に勝手ながら下記の期間は夏季休業とさせていただきます。

令和6年8月10日(土) ~ 令和6年8月15日(木)まで
〔令和6年8月16日(金)より営業いたします。〕

■「お客様相談室(お問い合わせメール)」へのお問い合わせについて
令和6年8月9日(金)正午から令和6年8月15日(木)までの期間にいただきましたお問い合わせにつきましては、
令和6年8月16日(金)以降、順次ご対応させていただきます。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

【新CM】「イメージ変える!KAORU」を本日より公開!

このたび、白岳KAORUの新CM「イメージ変える!KAORU」を公開いたしました。
本日より、TVCMやYouTubeを通じて幅広く配信してまいります。

◆プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000030.000064466.html

◆YouTube
【イメージ変える!KAORU 家飲みにはパックも篇】
・15秒バージョン
https://www.youtube.com/watch?v=lvLE7mxelLE
・30秒バージョン
https://www.youtube.com/watch?v=390fEvZTCe8

【イメージ変える!KAORU 次はあなたの街へ篇】
・15秒バージョン
https://www.youtube.com/watch?v=7_0Z2Ap_UxQ
・30秒バージョン
https://www.youtube.com/watch?v=rHXaNIjMnLg

◆新CM「イメージ変える!KAORU」の見どころ
CM の舞台となるのは、若年層を中心に賑わいを見せている屋外のグルメフェス。九州や関東のイベントを中心に出店している「白岳しろキッチンカー」に集まった女性たちが、友人や職場の同僚と白岳KAORUを楽しむ様子を撮影。

味わった際の新鮮な驚きやリアクションをCMにすることで、今までの焼酎のイメージを覆す華やかな香りや親しみやすい味わいを表現しました。

また、新CMの公開を記念して、8月5日(月)から白岳しろキッチンカーやグルメフェスの世界観を投影した「イメージ変える!KAORU」SNSキャンペーンをスタート。

InstagramとX(旧:Twitter)で実施されるこのキャンペーンでは豪華グッズが各10名に当たりますのでこちらもぜひご応募ください!

◇白岳しろ Instagram
https://www.instagram.com/hakutake.official

◇白岳しろ公式 X
https://x.com/hakutake46

 

◆白岳KAORU特設サイト
https://www.hakutake.co.jp/KAORU/
◆白岳しろキッチンカー出店スケジュール
https://www.hakutake.co.jp/KAORU/lemon/#event

【イベント/熊本】第47回「火の国まつり」に白岳しろキッチンカーが出動!

このたび8月2日(金)~4日(日)の期間で開催される、第47回「火の国まつり」に今年も白岳しろキッチンカーが出動いたします!

夏の風物詩として熊本県民から愛されてきた火の国まつりでは、毎年約60団体・総勢5,000人の踊り手が熊本市の中心部を踊り歩く「おてもやん総おどり」や、各種ダンスイベントなど盛り上がること間違い無しのプログラムが満載です!

◆概要
イベント名 第47回火の国まつり
開催日程 2024年8月2日(金)~4日(日)
料金     入場無料
※詳細は公式HP(https://kumamoto-guide.jp/hinokunimatsuri/)をご確認ください
※開催時間は日程によって異なります

期間中は花畑広場の食エリアブースに設置された白岳しろキッチンカーで、「KAORU星空レモンサワー」や「KAORU星空ハイボール」など夏の暑さを吹き飛ばすオリジナルドリンクを多数ご用意しております!

熊本の街が熱気に包まれる怒涛の3日間。
ぜひみんなで踊りまくって、美味しい乾杯で盛り上がりましょう!

第238回 釜の蓋が開く

生前、よい行いをしてきた人は、あの世では極楽というところへ行く。私もそうだ。
美しい花が咲きみだれ、心地よい音楽が流れている。暑くもなく寒くもない。お腹が空くこともないのだが、甘いものを少しだけ食べたいなと考えれば、どこからともなく甘いものが現れ、味わうことができる。ちょうどよい湯かげんの温泉に浸り、「極楽!極楽」と伸びをする。そんな時間が永遠に続く。
最初のうちはよいのだが、永遠にそんな日を送っていると必ずだんだん退屈になってくる。そんな贅沢を言ってはバチがあたると思うのだが、どんな極楽気分で毎日を過ごしていても、これだけは避けられないようだった。「毎日、いい気分で過ごしているのことも飽きてしまった。もっと刺激的な楽しいことはないものだろうか?何の不満もない。不自由もない。あるのは、退屈だけ。だれか退屈を吹きとばしてくれ。これこそ退屈地獄というやつではないか」と。
ある日のこと。隣に住んでいる男がやってきた。
「やぁ、毎日、極楽ですなぁ」お決まりの挨拶を交わした後、私にチラシを差し出した。
「なんですか?これ」
「いえ、うちの郵便受に入っていた旅行社の案内チラシですよ。この旅行社でツアーを予定しているらしいですよ。興味ありませんかな?」
旅行は生前に行きたいところへはほとんど行ったつもりだった。
「行きたいツアーなんて、ないんですがね」
「いや、内容を見て驚いたんですよ。こんなツアーは聞いたこともない」
「いったい、どこのツアーなんですか?」
「地獄ツアーですよ。地獄に行ったことないでしょう」
確かに地獄のことは話には聞いているけれど自分の目で見たことはない。せっかく極楽に来れたのに阿鼻叫喚の地獄など行こうとも思わない。
「というのが、八月のその日は地獄の釜の蓋が開くんだそうです。地獄の鬼たちもその日だけは休みをとるということで。その日に地獄めぐりをすれば安全で快適なのだそうです。こんな日でもなければ、地獄見物はできませんよ。興味ありませんか?」
なんと刺激的なツアーだろう。地獄の釜の蓋が開き、鬼たちがいなくなった地獄をお気楽に、自由に見て回れるというのだ。鬼たちがいなくても、想像力を使えば日常の地獄の姿を知ることができるだろう。そして、いかに自分が極楽で幸福な日々を送っているのか感謝することができるにちがいない。日頃の幸せに退屈するなんて、もっての外だとわかるだろう。
「そりゃあいい。ぜひ、地獄見学ツアーに参加させてください」と申し出る。「私も」「俺も」と地獄ツアー希望者でみるみるいっぱいになってしまった。
成程、極楽の人々も考えることは一緒なんだなぁ。
お盆の十六日。私たちはその日を迎えた。地獄の釜の蓋が開く日だ。私たちは極楽バスで地獄の入口に乗りつけた。門を抜けると、なるほど、地獄は人っ気がなくガランとしている。本当に鬼たちもいない。塀にはたくさんの鬼の金棒が立てかけられていた。
興味津々で私たちは地獄めぐりを開始した。
「へぇ。こんなところを歩かされるのか!」
でかい尖った無数の針の山がある。針山地獄だ。「痛かろうなぁ」
でかい釜があるが、その時は使われていない。ガイドが「罪人はこの釜で煮られるのです。逃げようとしても鬼の獄卒が出してくれません」なるほど、それが永遠に続くのか。
「熱かろうな、怖かろうな」と地獄に堕ちた人々の苦労を偲んだ。
焦熱地獄も熱そうだし、木の葉が刃物になった山も痛そうだし、地獄はとんでもないところだ。だから退屈は一発で吹き飛んだ。地獄は広い。すべてを見ないと気がおさまらない。ひと通り見学を済ませる。ほどよく汗をかいた。釜を見ると火が入ってないから湯加減はよさそうだ。ひと風呂浴びて、汗流して帰るか。
地獄の釜の湯につかる。するとすっかりいい気分に。思わずウトウトとしてしまう。
釜の上の方はなにやら様子がちがう。はっ、と目を覚した。
釜から顔を出すと、極楽ツアーの連中の姿はどこにもいない。みるみる釜の中の熱湯が噴き出してきて、あわてて釜から飛び出る。寝過ごしてしまったのか。地獄ツアーは私を置いて極楽に帰ってしまったようだ!
このままだと私は地獄の亡者として釜茹でされてしまう。こりゃ大変だ。
日が変わろうとしているのだ。釜から登る。騒がしい声がする。鬼たちが戻ってきたのだ。
地獄の門に急いだが、門はすでに閉じていた。
万事休す。
もう、どうしようもなく身を守るために塀に立てかけられていた金棒を手に取った。すると、あら不思議。私の両腕は筋肉が盛り上がり、赤く皮膚が変わっていく。頭からなにか生えて……角だ。
帰ってきたのは貧相な奴等だった。手当たり次第、金棒を叩きつけ釜に放り込んでやった。
鬼に変身した私は、それから獄卒として亡者たちを苛める日々を過ごしている。
来年の地獄の釜の蓋が開く日まで、とりあえずこうして過ごすつもりだ。案外楽しくて退屈しない。そんな自分が来年、極楽に戻って暮らしていけるかどうかが不安なのだが、とりあえず今は心を鬼にして亡者を苛めることに専念するつもりでいる。