人吉球磨アンバサダーズインタビュー第5弾| 名バイプレーヤー、六角精児さんのインタビューを公開!

時代をリードする表現者たちが人吉球磨を語り尽くす「人吉球磨アンバサダーズインタビュー」。5回目となる今回のゲストは、ドラマや映画を中心に幅広く活躍する俳優の六角精児さんが登場です!

長年、名バイプレーヤーとして縦横無尽に活躍されてきた六角さん。
一方、NHK BSプレミアムでは『六角精児の呑み鉄本線・日本旅』の旅人として日本各地のローカル線を訪ねるなど、旅好き、鉄道好き、そしてお酒好きとしても知られている粋人でもあります。

今回のインタビューでは、豪雨災害後に人吉の人々と触れ合う中で感じた地域の誇りや肥薩線のマニアックな知識と車窓から見た球磨川の美しさ、そして六角さんにとって「旅」とは何なのかというテーマについても存分に語っていただいております。

まさに、「お酒好き、旅好き、鉄道好き」のどのジャンルの方にも楽しんで頂ける内容となっております。
スクリーンを通して観る六角さんとは違う一面が味わえるインタビューですので、ぜひご覧ください!

https://ambassadors.hakutake.co.jp/ambassador/ambassador-5.html
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◇「人吉球磨アンバサダーズインタビュー」について
人吉球磨に所縁がある表現者たちのインタビューを掲載したwebコンテンツです。
各界で活躍する表現者の方々を、「アンバサダー(大使)」に任命し、インタビューを通じて人吉球磨がもつ価値や魅力を再発見していきます。

WEB限定 白岳KAORUショートムービー 「リンスインシャンプー~忘れたはずのあいつの香り~」リリースについて

おかげさまで発売以来ご好評頂いている、新世代米焼酎「白岳KAORU」。
このたび、「香り」で思い出す恋愛を描いたショートムービーを公開致しました。

《Webムービー白岳KAORU「リンスインシャンプー~忘れたはずのあいつの香り~」》
https://www.youtube.com/watch?v=PXFlDcWS8Fs

お酒を飲める歳にもなると、誰にでも忘れられない香りの一つや二つはあるはず。
動画では忘れられない切ない香りに今も縛られている「かおる」が、白岳KAORUのさわやかな香りとともに前向きに変わっていく様子をコミカルに描いています。

劇中歌を見事に歌いあげるのは、謎のシンガー「詠流(えーる)」。
今までもそしてこれからも、メジャーデビューの芽は限りなく薄い苦労肌。
無駄に長い下積みの経験が織りなす、情熱的な歌声と粘着質極まる暑苦しいパフォーマンスは涙なしには見られません。

「白岳KAORU」のさわやかな香りと切ない恋心が画面越しに伝わる珠玉の動画に仕上がりました。
白岳にまつわる小ネタも各所に散りばめておりますので、ぜひご覧ください!

◆「白岳KAORU」ブランドサイトはコチラ
https://www.hakutake.co.jp/KAORU/

◆「白岳KAORU」ご購入はコチラから
https://hakutake-shop.jp/view/category/kaoru_regular

YouTube「白岳しろ公式チャンネル」リニューアルオープンのお知らせ!

このたび、高橋酒造の公式YouTube「白岳しろ公式チャンネル」をリニューアルオープンいたしました!

https://www.youtube.com/channel/UCyx-nc0n7utitWIkRwIALXw

 

公式チャンネルでは、キンハイギンハイや「白岳KAORU」のCM動画を展開中で、今後も様々な動画をアップしていく予定です。

 

この機会に、ぜひチャンネル登録と高評価をお願いいたします!

「味わいの刻」が、YouTubeで視聴可能になりました!

 

TKU(テレビ熊本)で放送中の人気番組、「中原 丈雄の味わいの刻」。

俳優・中原丈雄さんが熊本の名店に訪問して美味しい料理と白岳の米焼酎を楽しむ名物番組で、2014年4月4日の放送開始から今年で8周年を迎え、これまでに300軒以上の店舗に訪問してまいりました。

そんな「味わいの刻」が、
TKU公式ホームページ内の「TKU official YouTube」
https://youtu.be/60mNPZ8W2-4)にて視聴できるようになりました!

・見ようと思っていたのに、つい見逃してしまった!
・熊本に住んでいないので、視聴出来ない!
・もう一度あの店舗の映像を見たい!

などなど、いろいろな方に楽しんで頂けるよう2021年4月2日の放送分より少しずつアーカイブしていきます。
記念すべきYouTube第1回目は、「まんじぇ」様。

春野菜たっぷりの絶品マカロニグラタンと白岳しろを楽しむ中原丈雄さんをぜひ御覧ください!

 

 

 

人吉球磨アンバサダーズインタビュー第4弾| 元プロサッカー選手、巻誠一郎さんのインタビューを公開!

2021年1月から連載を開始した、「人吉球磨アンバサダーズインタビュー」。

4回目となる今回のゲストには、元プロサッカー選手の巻誠一郎さんが登場します!

 

熊本のサッカークラブ、ロアッソ熊本にも在籍経験がある巻さん。

2016年に発生した熊本地震では、自らも被災しながら、スポーツを通じて積極的な支援活動を展開してきました。

人吉・球磨地方の令和2年7月豪雨災害が発生した際も、他の仕事を全て断って現地での活動に尽力するなど、豊富な支援経験と復興への熱い思いをあわせ持つトップアスリートです。

 

インタビューでは、巻さんの考える復興支援のあり方や現在も関わりを持ち続ける被災地との関係、そしてサッカーというスポーツの魅力や奥深さについて熱く語っていただいています。

 

巻さんの温かい人柄が伝わるインタビューです。

ぜひ、ご覧ください!

https://ambassadors.hakutake.co.jp/ambassador/ambassador-4.html

 

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◇「人吉球磨アンバサダーズインタビュー」について

人吉球磨に所縁がある表現者たちのインタビューを掲載したwebコンテンツです。

各界で活躍する表現者の方々を、「アンバサダー(大使)」に任命し、インタビューを通じて人吉球磨がもつ価値や魅力を再発見していきます。

しろ(46)の日に初チャレンジ! 社員が教える、美味しい飲み方のススメ。

みなさま、本日4月6日は「白岳しろ(46)の日」です!

しろ(46)の日を記念して、高橋酒造のスタッフが日頃自分たちだけで楽しんでいる焼酎の飲み方やおすすめのペアリングをHAKUTAKE ONLINE SHOPにて紹介することにしました!

百聞は一見にしかず。
まずはスタッフ記事をご覧ください!
今回は春にピッタリの飲み方を紹介中です♫

https://hakutake-shop.jp/view/news/20210406120008

第197回 哀しきアムネジア

 最近は、どうも物忘れがひどくなった。人と話をしていて固有名詞が出てこない。俳優や歌手、政治家、ひいては歴史上の人物まで。口許まで出かかっているのだが、言おうとするとどうしても口に出せない。だから、仕方なく「あ・れ・だよ。あれ。あれ」と言ってしまう。場所なら「あそこだよ。だいぶ前に行ったとこ」俳優なら「あの人だよ。よく悪役もやる。あ・の・人」といった感じ。気心の知れた人だと、うまく会話の流れをつかんで「あ、カレーのうまいの食べたところだね。わかる、わかる」という具合に察してくれる。正解は出てこなくても、その場は何とかやり過ごせる。喉元に引っかかったままなのだが、ある瞬間にふっと声が聞こえることがある。そうだったんだ。なんで、こんな簡単なこと思い出せなかったんだろう、と自分が嫌になってしまう。
 固有名詞が思い出せないだけではない。日常生活でも、影響は確実に現れている。
 最近、本を読んでいて活字が読みづらくなった。字のまわりが滲んだように見えるのだ。「老眼鏡を使ってみたらいいと思う」と薦められ、かけるようになった。
 そのとおりだった。劇的に視界が明るくなった。仕事は事務でパソコンを使わず手書きでやっている。だから、仕事にも老眼鏡は効果を上げている。使い始めてよかった。薦めてくれたことに感謝している。
 だが、私はいつでも老眼鏡をかけるわけではない。映画を観に行くときや、テレビを見るときはメガネを使わなくて済む。
 そこで大変なことが起こる。テレビでニュースを見てから書斎へ戻る。そして本を取り出したときに問題は起こる。
 机の上に眼鏡がない。煙のように消えている、あれ、さっき本を読んでいたときは、たしかにここで使っていた。
 それが今はなくなっている。あわてて机のまわりを見る。
 ない。
 机の下も見る。ない。机の横の隙間も覗き込む。ない。ひょっとしたらテレビを観るときに無意識にはずしたとか。
 テレビの部屋に行き隅から隅までチェックするが、ない。消えてしまったのだろうか、とも思う。まるで魔法のように。「そんなときは、顔でも洗ったらいい。ふふ」
 そして、ふと洗面所の鏡の前に着いたときに、眼鏡のありかを知らされることになる。
 老眼鏡は、頭の髪の上にかけられたままになっていたのだ。いくら部屋の中を探しても、出てこないわけだ。
 へなへなと崩れ落ちてしまう。
 きっと、老眼鏡をテレビを観るとき頭にかけたのは、無意識だったのだろう。自分が悲しくなる。似たようなことは携帯電話でも起こる。帰り着いて携帯電話を取り出そうとしてないことに気づく。さんざん部屋中を探すが見つからない。もちろん、バッグの中も探す。出てこない。ひょっとしたら、出先に置き忘れてきたのだろうか?行った先やタクシー会社に電話するが見当たらないという返事が。途方に暮れる。「固定電話から携帯電話にかけてみたらいいよ」といわれる。
 そうだ。その手があったか。あわてて電話してみる。すると…電話の呼出音が鳴り響く。
 なんと電話は私が帰ってきて置いた帽子の下にあった。携帯電話を置いてその上に帽子を無意識にかぶせてしまったらしい。
 冗談にならないくらい物忘れはひどくなっている。健忘症という言い方がある。健やかな物忘れ病となるが、私のじゃない、私のは妄忘病くらいが正しいかな。昨年もそうだ。昼食を終え、仕事場に戻り午後の仕事を始めた。書き損じが出たのであわてて消しゴムで消す。大量の消しカスが出たので、机の上をきれいにするために消しカスを吹く。
 不思議だ。消しカスはそのままだ。首をひねる。「はめたままじゃないか」と言われる。
 なるほど。外出から帰ってからマスクを外さないままでいたのだ。消しゴムのカスが吹き飛ばせない理由がわかった。
 どれも、自分の物忘れが原因だ。
 しかし、いつもかろうじてのところで、大事なことをアドバイスしてくれることに感謝している。やはり持つべきは家族だな。
 その家族が今日は揃ってやってきた。ときには、単独ではなく家族全員で行動することも必要だろう。妻と娘は手分けをして掃除にいそしんでいる。二人が協力しあって作業しているのを見るのは気持ちがいい。母は、その様子をにこにこ笑いながら眺めている。頼まれていたものがやっと揃ったらしく、息子が遅れて到着した。「お待たせぇ。途中、道が混んでいてさぁ」
「さぁ、掃除も終わったし、全員揃ったから」と私はみんなに言った。ライターを探す。あれ?ライターを持ってきた筈なのに。ポケットに入っていない。どうしよう。「ライターなかったから、マッチを持ってきたんじゃないか」といつものように教えられる。その通りだ。小物を入れるバッグの中にマッチを入れてきたのだった。すんでのところでいつも父のアドバイスに教えられる。「始めようか。花を飾って、線香とロウソクに火をつけて」
 そこで、あれ?と思う。なぜ、父が教えてくれるんだ。不思議だ。
 今日は、父の一周忌で家族揃っての墓参りだったのではないか。
 どうも、最近は物忘れがひどくなったなぁ。自分のことながら、呆れるしかない。

第196回 世の中リモコン

 歩いていると、不思議な老人がいる。存在感がないというか、透明っぽいというか。「おかしいなぁ?ここいらと思うんだが?」と呟いている。通り過ぎて振り返ると老人はしきりに道で何かを探しているようだ。
 落としもの?と首をひねったとき街路の脇の溝に黒っぽい装置のようなものが落ちているのを見つけた。ひょっとしたら、さっきの老人は、これを探していたのではないだろうか?
 あわてて拾いあげて老人に教えてやろうと見ると、老人の姿は薄くなり、消えてしまった。いったい何者だったのか?
 黒っぽい装置は長さ20センチほどの板状の物体だった。左上に赤い丸が一つある。その下にいくつものボタンがならんでいた。そのボタン一つずつに意味があるのかもしれない。表示がないからわからないが。
 老人が見えたあたりまで戻ってみたが、もう姿がない。目の錯覚でなければ、薄くなって本当に“消えた”のかもしれない。
 いったい何者だったのだろう。
 そのまま会社に戻った。今日は終業まで営業会議だった。思ったような成績をあげられていないから気が重い。正直、会議も出たくない。成績アップがテーマの会議なのだ。
 会議が始まり、課長がそれぞれに意見を述べさせる。いらいらしながら順番を待つ。早く終わればいいのに、と、手に持っていた黒い装置を握りしめた。
 どうしたことか、課長が甲高い声でチャカチャカ話し始めた。慌てて手を離すと、話が正常になった。
 この装置のせいだ。
 会議は続く。次があてられ意見を述べたが、つまらない、と課長に罵倒された。
 次にこちらを指差した。なにもアイデアはない。脂汗がにじみ装置を握ると、会議の出席者がいっせいにフリーズした。
 この装置のせいなのか?
 課長はこちらを指差したまま静止。他の課員もつまらなさそうに止まったままだ。
 わかった。この細長い黒い装置は世の中のリモコン装置なのだ。そして今押したのは“一時停止”。さっき、課長がものすごい勢いで話しだしたのは“早送り”か。いや“1.3倍速再生”なのだろう。立ち上がって課長の前に置かれた用紙を見ると「試みる手法案」が箇条書きにしていくつもあげられてる。あわててそれを写して席に戻り装置を動かす。
 世の中がまた動き出した。
 立ち上がって、今メモしたものを読み上げて「以上のようなものを打開策として申し上げます、これらを一つづつ実施していくことが有効かと思います」
 席に座ると、課長はぽかんと口を開けてこちらを見ている。先に結論を言ってしまったので、早々に会議は終わってしまった。
 終業時間まで早送りして帰りたかったのだが、どれが早送りボタンなのかがかわからない。
 定刻で終業して家に帰る。
 帰り道にぼんやりと考える。あのリモコンを落とした老人は、いったい何者なのだろう?
 ひょっとしたら神さまなのかもしれないなぁ。そして、この世の中を操作しているのかも。
 家に帰ると妻に文句を言われた。頼まれていた買い物を忘れてしまったからだ。妻の小言に耐えていると、持ち帰ったリモコン装置が目に入った。そして、その斜め前には我が家のブルーレイディスク用のリモコン装置がある。その2つを見比べて気がついた。
 なんと、テレビやブルーレイのリモコンと私が拾って持ち帰ってきたリモコンのボタンの配列はまったく同じなのだ。ということは…。
 ブルーレイリモコンの早送りの位置にあるボタンを試しに押して見る。すると妻の小言がすごい勢いで進み、あっという間に終わってしまった。これだ、これだ。
 ブルーレイのリモコンの方には操作方法がすべて表示されていた。同じ位置のボタンを押せば、世の中も同じように操作できるのだ。しかし、今の生活は同じことの繰り返し。いい加減飽き飽きしてきたぞ。このリモコンで、もっと刺激のある生活はできないものだろうか?
 ぼんやりとそう思うようになった。ブルーレイリモコンに細長い“チャンネル”というボタンがあった。では、こちらの方の同じ位置にあるボタンを。
 エイッ。
 うわっ。目の前の世界が消え去る。ここは密林の中か。遠くから獣の吠える声がする。そして地響き。近づいてくる。巨木の間から出現したのは恐竜だった。あわててボタンを押すと、部屋の中だ。半裸の美女がソファーの私に飲み物を差し出す。これだよ。この世界だ。いつまでもこの世界が続いてくれればいい。「もうお別れなの。残念だわ」と美女が言う。いやだ、行かないでくれ。この世界がいい。と“停止”位置のボタンを押すと世界が凍結してしまった。世界は変化しないが、何も動かない。どうすれば元に戻る?いろんなボタンを押してみたが、凍結した世界が元に戻ることはなかった。あとは、リモコンの左上にある赤いボタンしかない。
 仕方ない。その赤いボタンを押してみると、世の中のすべてが真っ白く……消え

人吉球磨アンバサダーズインタビュー第3弾|発酵デザイナー、小倉ヒラクさんのインタビューを公開!

“ソーダ割りやショートカクテルとかも合うでしょうね”

銀しろが入った盃を傾けながらそう語るのは、発酵デザイナーの小倉ヒラクさん。
「人吉球磨アンバサダーズインタビュー」、3人目のアンバサダーです。

ヒラクさんの肩書きは、まだ日本では耳慣れない「発酵デザイナー」。
ヒラクさん曰く、発酵デザイナーの仕事とは、「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」こと。全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマにしたプロジェクトを展開しながら、発酵の持つユニークな一面や奥深さを、デザインという媒介を通じて表現するクリエイター兼ディレクターです。

もともと、アートディレクターとして国内外で活躍していたヒラクさんでしたが、ある機会に発酵食品ができる仕組みに強い興味を持ち、独学で勉強を開始。
2019年に渋谷ヒカリエで開催され、5万人の来館者を集めた展覧会「発酵ツーリズム」や2020年4月に東京・下北沢にオープンした発酵食品のセレクトショップ「発酵デパートメント」など、発酵の世界を彩る独自のコンセプトをデザインしつづけています。

サイトでは、2020年9月に豪雨災害の傷跡が残る人吉の町を訪ねる中で、ヒラクさん自身が見たことや感じたことを中心にインタビューを展開。
地理的・歴史的な観点から見た「人吉×発酵」のあり方を、発酵専門家としての視点とヒラクさんが持つやわらかい感性で語って頂いています。

今までにない角度から人吉球磨を見つめ直すことができる素晴らしいインタビューとなりました。ぜひサイトへお立ち寄りいただき、3人目のアンバサダー、小倉ヒラクさんのインタビューを御覧くださいませ。

URL:https://ambassadors.hakutake.co.jp/ambassador/ambassador-3.html

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◇小倉ヒラク(おぐらひらく)profile

発酵デザイナー。「見えない発酵菌たちのはたらきを、デザインを通して見えるようにする」ことを目指し、全国の醸造家や研究者たちと発酵・微生物をテーマにしたプロジェクトを展開。東京農業大学で研究生として発酵学を学んだ後、山梨の山の上に発酵ラボをつくり日々菌を育てながら微生物の世界を探求している。アニメ『てまえみそのうた』でグッドデザイン賞2014を受賞。著書に『発酵文化人類学』『日本発酵紀行』。YBSラジオ『発酵兄妹のCOZY TALK』パーソナリティ。2020年4月に下北沢に店舗『発酵デパートメント』オープン。

◇「人吉球磨アンバサダーズインタビュー」について
URL:https://ambassadors.hakutake.co.jp/
人吉球磨に所縁がある表現者たちのインタビューを掲載したwebコンテンツです。
各界で活躍する表現者の方々を、「アンバサダー(大使)」に任命し、インタビューを通じて人吉球磨がもつ価値や魅力を再発見していきます。

第195回 悪魔の温泉

 私は温泉評論家。全国津々浦々の名湯秘湯を訪れ、紹介している。温泉が大好きという人々がいかに多いことか。そんな人々が私の温泉紹介を心待ちにしていてくれる。潮が引くと出現する海底温泉や、一日一度だけ地中から噴き出す湯の溜まりを利用する間欠泉温泉やらも皆に喜んでもらった。私が紹介すると珍しがられて、ある岩窟温泉などすぐに世界遺産に指定されたほどだ。だから、今日も私の知られざる温泉探しの旅は続く。
 普段でも温泉人気は凄いのだが、特に冬場は温泉の人気が高まるようだ。雪が舞う風景の中で風呂に入る情景には誰もがロマンを駆り立てられるのではなかろうか。ネット情報では、もう誰もが知っている手垢のついた情報しか得られない。本当に貴重な情報は方々の土地を訪ね、口伝えに教えて貰わなければ得ることはできないのだ。
 この日、あるひなびた田舎町を訪ね、その温泉のことをそして、知った。情報をくれた男はあやふやに教えてくれた。背後のどんよりとした雲のかかった灰色の山を指差して。
「あの山の高いところに物凄く素晴らしい湯が湧いているそうだよ。どこのガイド本にも載っていない。発見されてまだ間がないらしい。いや、私もまだ行っていない。山に登るのは苦手なんだ。なんでも、誰かのお告げで見つかったらしい。噂だけれどもね。とにかく素晴らしいらしい。その湯に自分で浸らないと湯の素晴らしさはわからんのだろうな」
 もちろん、そんな温泉の存在は知らなかった。
 お告げで温泉が見つかるのは、定番だ。布袋さまが夢枕で教えてくれたり、聖徳太子が指差していたり、日蓮上人や薬師如来さんと偉い人の温泉のお告げ話は多い。だから不思議なことではない。
 教えられた山へタオル一本持って登ってみた。お告げで見つかった温泉にはどんな効能があるんだろう?いや、本当に温泉が存在するのか?雪が深くなっていく。
 温泉があっても誰が使う?熊?猿?鹿?
 山へと登る。ピークを過ぎて下ると岩場に出た。その岩場が奥に続く。あたりが急に冷え込んできた。高度のある山だから。平地より百メートル標高が上がるごとに〇・六度気温は下がるという。仕方ない。その岩陰の向こうは……。
 驚いた!点々と遭難者の凍死体が転がっているではないか。
 遺体の傍らにはタオルが……。皆、温泉を求めてここにたどり着いたのか。しかし力尽きて……?しかし、温泉は本当にあるのか?
 と、その岩陰の向こうにまわると天然の温泉が。体育館より広い巨大プールのような。迫り出した岩で温泉の半分くらいは雨が降っても大丈夫なようだ。そして、無数の人々が湯気の間から幸福な表情で浸かっているのが見えた。さっきの遺体は、もう少しで極楽温泉にたどり着けたというのに。可哀想に。
 さて、この温泉を体験しなくては。服を脱ぐと、早速、湯に浸る。
 なんと!この素晴らしい湯加減は!しかも湯質はとろっとろ。かすかに白濁して硫黄が香る。最高の温泉だ!身も心も癒やされる。
「もし、新顔の方かな」と声をかけられた。痩せた老人だ。この温泉の常連だろうか?
「はい。初めてです。いい湯ですね。私は温泉を取材に来ました。話を聞かせていただいていいですか?」
「ああ、かまわないよ。しかし取材したところで役には立たんと思うよ」
「いやいやいや。あなたは、この温泉の常連さん…?」
「なんと言えばいいか。発見者というか、生み出したものというか。昔はこのあたりに温泉がなくてのう…」
 なんと素晴らしい。温泉の発見者に会えるとは。
「へぇ、それで?」
「残念に思い、さまざまな神様仏様に温泉を作ってくれと祈ったが聞き入れてくれないんだ。そのとき、悪魔に願えば叶う…という噂を耳にしてな。悪魔を呼び出して頼んだんだ。悪魔は願いを叶える代わりに陥し穴を仕掛けると聞いていたんで、地獄の釜のような温泉を作らないように、最高の湯質湯加減の温泉にしてくれ。それで湧き出したのが、この“悪魔の湯”なのじゃ。まさに悪魔が作り出しただけあって、約束通り、湯に浸れば夢心地になれる至上の温泉というわけじゃ」
 なるほど。それで、これほどまでに素晴らしい温泉というわけだ。一度この湯に浸かれば二度とあがりたくなくなる魅力的温泉。まさに悪魔的!
「いい温泉でよかったですね。では、あなたはしょっちゅう、この温泉に来ておられるんですね?」
 老人は意外なことにため息をついた。なぜ?
「いや。私はこの悪魔の湯に入って以来、ここから出ていけなくなった。あまりの湯の気持ちよさに身も心も虜になってしまった。温泉を上がろうともしたのだが、無理だとわかった。だから悪魔の温泉で暮らし続けている。腹が減れば、温泉の中央に木の実もなっておる。それを喰えば、また極楽気分で、どうでもよくなる」
 ぞっとした。聞けば入浴中の他の人々も湯に浸かったままだと。まさに温泉に囚われた人々だ。「失礼します」とお湯から飛び出して全身をタオルで拭き、服を着る。と同時に、ものすごい寒さに凍え始めた。この悪魔の温泉から出ようとすると全身が凍えるということをその瞬間に理解した。さっきの凍え死んだ人々は温泉にたどり着けなかったのではなく、逃げようとして…。
 寒さに耐えられず服を脱ぎ再び温泉に飛び込む。全身に快感が戻る。至福だ。やはり…「悪魔の温泉じゃ」と老人が言った。