年末年始休業のお知らせ

本年も弊社商品をご愛顧いただき誠にありがとうございました。
誠に勝手ながら、下記の期間は年末年始休業とさせていただきます。

2025年12月27日(土)~2026年1月4日(日)まで
〔2026年1月5日(月)は営業いたします。〕

■「お客様相談室(お問い合わせメール)」へのお問い合わせについて
2025年12月26日(金)正午から2026年1月4日(日)までの期間にいただきましたお問い合わせにつきましては、
2026年1月5日(月)以降、順次ご対応させていただきます。

ご不便をおかけいたしますが、何卒ご理解いただきますようお願い申し上げます。

※「球磨焼酎ミュージアム 白岳伝承蔵」については、以下URLをご覧ください。
https://www.denshogura.jp/news/3724/

【完売御礼!】「福箱2026 匠-たくみ-」完売のお知らせ

お客様各位

いつも高橋酒造の商品をご愛顧いただき誠にありがとうございます。

2025年12月12日(金)より販売を開始いたしましたお年玉企画「福箱2026」ですが、ご用意していた30,000円セット「匠-たくみ-」10箱が完売いたしました。
このたびは多くのお買い求めをいただき、誠にありがとうございました。

「福箱2026 匠-たくみ-」の再販は現在のところ予定しておりません。
ご購入を検討されていたお客様につきましては誠に恐縮でございますが、ご理解の程何よろしくお願いいたします。

なお、「福箱2026 彩-いろどり-」も残りわずかとなっておりますので、この機会にぜひお買い求めください!

【数量限定】「福箱2026」販売開始のお知らせ


福箱2026

先日お知らせいたしました、お年玉企画「福箱2026」を本日より販売開始いたしました!

今年の「福箱2026」もどのような内容であればお客様に感動していただけるか、また福箱をご購入いただいた方からの貴重なご意見やご要望を参考にさせていただき、考え抜いた自信満々のセットとなりました。

◯「福箱2026」販売ページ
URL:https://hakutake-shop.jp/view/category/fukubako2026

◆発送日
12月25日(木)以降
※年内お届け希望の場合は12月30日(火)又は12月31日(水)をご指定ください。
※年内お届け希望の場合は12月24日(水)までにご注文ください。
※着日指定なしの場合は2026年1月1日(木)以降に順次お届けします。

◆注意事項
① 売り切れ次第販売終了となります。
② ご家庭用の福箱のため熨斗、包装を承ることはできません。
③ 予約商品のため、他商品との合わせ買いはできません。
④ 予約商品のため、「銀行振込」はご利用できません。
※「クレジット決済」「Amazon Pay」「代引引換」をご利用くださいませ。

今年は価格の異なる2つの福箱をご用意いたしました。

★福箱2026「彩-いろどり-」20,000円(税込/限定100箱)
福箱2026-彩-
毎年大人気の「白岳しろ 干支ラベル」に加えて「究極の米焼酎 百」など、バラエティ豊かなお酒と特別ギフトをひと箱にギュッと詰め込みました。お酒好き必見!年末年始を贅沢に楽しめる大容量セットです。

★福箱2026「匠-たくみ-」30,000円(税込/限定10箱)
福箱2026-匠-
白岳の最高級品が詰まったプレミアムセット。一般流通していない「HAKUTAKE Limited.」やファン必見のレアアイテムなど、極上のラインナップをぜひご堪能ください。

なお購入の特典として…
福箱特典
【抽選で2名様】「益々繁盛 干支ラベル(白岳25度 4,500ml)」(非売品)をプレゼント!
※「益々繁盛」について
https://hakutake-shop.jp/view/item/000000000043

2セットとも【数量限定】&【売り切れ次第販売終了】となりますので、お早めにご購入ください!

福箱2026

【福箱2026】12/12(金)17:00より販売スタート!

白岳の限定焼酎やオリジナルグッズを詰めこんだ年末年始の特別なお年玉企画
「福箱2026」を今年もオンラインショップ限定で販売いたします!

〈販売開始日時〉
2025年12月12日(金)17:00スタート
福箱2026特設ページURL:https://hakutake-shop.jp/view/category/fukubako2026

福箱2026予告

毎年大好評の「オリジナル干支ラベル」や非売品を含む限定グッズなど、今年も福箱でしか手に入らないスペシャルアイテムが満載となっています。

毎年販売開始から数時間で売り切れている人気商品ですので、ぜひスタートと同時に福箱2026の特設ページまでご来場ください!

【shiromap(しろマップ)】追加店舗のお知らせ 11月分

関東で白岳商品を飲みたいとき・買いたいとき、すぐにお店が探せるshiromap(しろマップ)!
「追加されたお店を知りたい!」とのお声に応えて、前月追加店舗をお知らせいたします。

2025年11月は下記店舗が追加されました。

■飲めるお店:16店舗
[東京エリア]
 ・なかめのてっぺん 本店(中目黒)
 ・なかめのてっぺん 丸の内
 ・なかめのてっぺん 渋谷ストリーム
 ・なかめのてっぺん 品川
 ・築地もったいないプロジェクト 魚治
 ・はまぐり屋 串左衛門
 ・鮨おにかい
 ・鮨おにかい+1(たすいち)
 ・おにかい×2(かけるに)
 ・鮨うらおにかい
 ・浅草橋 鮨うらおにかい
 ・鮨KOUMEI
 ・とろさば料理専門店 SABAR 新橋銀座口店
 ・とろさば料理専門店 SABAR 浜松町大門店

[神奈川エリア]
 ・なかめのてっぺん横浜みなとみらい
 ・野毛のおにかい

【shiromap(しろマップ)ご利用はこちらから】
https://www.e-map.ne.jp/p/shiromap/

【shiromap(しろマップ)とは】
登録件数3,000店舗超!首都圏で白岳商品が「かえるお店」「飲めるお店」を検索できるナビサイト!
「しろ」などの商品ごと、最寄り駅、エリア、店名などでも検索が可能です。
Google Maps上の表示ができて、行きたいお店の道順が分かります。

第254回 走る教師

何故か、世の中には不思議で理解できない行事がある。それも私の職業に関してだ。
 私が教師の仕事につくときも両親は心配したものだ。
 「教師になれば、年末には、“あれ”があるんだよ。お前は「子どもの頃から運動音痴だったろう」と。
 「いや、ぼくは生徒たちを、より高く導くだけで満足なんだ。そのくらいのことは覚悟して教師の職業に就くよ。一回うまくこなせば毎年でもコツを掴んで、うまくやれると思うんだ」
 両親は、それ以上、私を説得する言葉もなかったようだ。私のことを言い出したら聞かない子と思っていた。
 そして私は教師になった。生徒たちに新しい知識を学ばせていくことは素晴らしかった。皆が真面目で勉学にいそしんでくれる。父兄たちも私の教えかたに口を挟んだりはしない。やりがいのある仕事だった。この仕事を選んでよかったと思う日々が続いた。
 この仕事に就くまで色々と脅された。昼も夜もやることが多くて頭がおかしくなるぞ、とか、モンスターペアレントが押しかけてくるぞ、とか。しかし、そんなことはなかった。週休も二日とれて、自分の時間を誰にも邪魔されることはなかった。
 理想の仕事だった。
 そして十一月末。両親の心配していた“あれ”の連絡が、私宛に送られてきた。どこからだって?
<教育委員会>から。

─十二月は、教師は全員、走行免除試験を受けなければなりません。この試験に合格した教師だけ走行免除許可証が授与され歩行できます。また、不合格の教師は、十二月末日迄、師走ぱんつを装着して行動することが義務づけられる。なお、師走ぱんつは時速五キロ以下になると、爆発します。─

 愕然とした。両親が案じていたのはこれか。
 先輩教師たちは驚いている様子はない。
「あの…毎年、走行免除試験とか、行われているのですか?」
「当たり前ですよ。これは暮の風物詩ですからね。師走は、先生、つまり師も走る月ということです。しかし、これは諸々経験の少ない先生が走るということです。経験豊富な先生はあわてることもない。つまり走ることもない。それが試験で問われるということです」
 先輩教師は落着きはらってそう答えた。
「しかし、師走ぱんつを装着して時速五キロ以下で走ると爆発するんですよ」
「当然でしょう。仕方ないことです。教師の資格を問われるような教師が爆死するというのは自業自得でしょう。そう。教師の資格がないことですから。教師は走りまわって当然なのです。先生が走りまわって、初めて師走と言えるのですからね」
 これは大変だ。だが、先輩教師たちは、まったく焦ったりあわてたりしている様子もない。日常の仕事をこなし、授業をやっている。
 ということは、あまりあわてることもないのだろうか。常識的問題が出ると考えていればいいのか。
 先輩教師の一人がひとり言のように言った。
「やはり、十二月は師走というから、一人くらいは走りまわっている先生の姿を見るのも心和みますよねえ」
 やがてすべての教師が受ける走行免除試験の日がやってきた。走行免除試験というから実技試験で運動場を何周かしなければならないのかと思ったら、違った。
 先輩教師たちは、余裕で鼻唄を唄っている。
「何故、そんなに余裕なんですか?」と尋ねると、にたにた笑いで言った。
「なあに。毎年、同じ問題が出るから、毎年同じ答を書けばいいんだよ。これほど気楽な試験はない」
 エエーッ。どうして早く教えてくれなかったんだ。
「はーい。では試験を始めます。皆は私語をつつしんで。これから、一言も話してはいけません」
 試験が始まった。走らなければならないと思ったら筆記試験のみという。
<第一問 国語
 三浦しをんの小説「風が強く吹いている」は箱根駅伝が舞台ですが、十人のメンバーの登場人物のうち主人公灰二の最高走行速度はいくつですか?>
 読んだぞ。この小説。とても面白かったけれど…。最高速度?そんな描写、あったっけ?お…憶えてない。時間がない。次、次の問題。
<第二問 数学
 あなたが全力疾走したとき消失する時速および必要な距離を求めよ。また、消失したあなが出現する過去を正確に記せ>
 まったく見当もつかないい。相対性理論か?
 その調子で問題は十問まで続いた。手も足も出ない。お手上げだ。
 そんなわけで、試験に落ちた。私は師走ぱんつを着け、走りまわりながら食事をすませ授業をやり、師走の走る先生として日常をこなしている。とにかく忙しく走りまわらなければ師走ぱんつが爆発するのだ。
 同僚の教師たちは、毎年同じ答を書くだけで試験に合格している。なんという不公平だ。試験に落ちた私のことなぞ、なんの心配もしていない。試験内容も教えてくれなかった。
 もうそろそろ限界だ。足がふらつく。しかし走り続けないと爆発してしまう。
 ああ、ゆっくりと大の字になって横たわりたい。しかし、師走ぱんつが爆発…。もう駄目だ。しかし、一人では死なんぞ。これから職員室に駆け込み薄情な同僚教師たちの真中で…。

【東京/イベント】白岳KAORU×小虎小路「白岳KAORU星空ハイボール祭 with しろトマ」(虎ノ門)

このたび、12月1日(月)から12月12日(金)の期間中、「オフィス街ではしご酒が楽しめる」と人気の虎ノ門に構える横丁「小虎小路」にて「白岳KAORU星空ハイボール祭 with しろトマ」を開催いたします。

KAORU×小虎小路

◆公式プレスリリース
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000064466.html
◆期間: 2025年12月1日(月)~12月12日(金)
対象施設 :虎ノ門「小虎小路」内の全8店舗
小虎小路HP:https://kotora.info/
※店舗により店休日、営業時間が異なります。詳しくは各店舗にお問い合わせください。

内容:
➀キャンペーン参加店舗にて「白岳KAORU星空ハイボール」「しろトマ」を最初の一杯100円にてご提供!

➁「白岳KAORU」キッチンカーで活躍する「KAORUガールズ」が小虎小路に出張!
  店舗を回遊しながらキャンペーンを盛り上げ、小虎小路内のKAORUブースではオリジナルアクリルチャームがもらえるガチャガチャ企画を実施!

日時:➀12月1日(月)~12月12日(金)17:00~22:00
   ➁12月8日(月)~12月12日(金)17:00~22:00

各店舗がおすすめする料理とのペアリングを楽しめるキャンペーンで、仕事終わりの方や、若い世代の方にもお楽しみいただける、飲食店が一体となったグルメ企画となっております。
小虎小路各店のおすすめ料理と「白岳KAORU」「しろトマ」で、「オフィス街でのはしご酒」をぜひお楽しみください。

自然と共生する想いを込めて――「市房」売上の一部を寄付

平素より格別のご高配を賜り、誠にありがとうございます。

高橋酒造の黎明期を支えた銘酒「市房乃露」よりその名を付けられた「球磨焼酎 市房」。

人吉球磨地方の名山「市房山」が由来となっています。

毎年、売上の一部は、日本の森林保全活動に役立てていただくため寄付をしており、今年も公益社団法人熊本県緑化推進委員会に目録を贈呈いたしました。

◆「球磨焼酎 市房」商品ページ
https://www.hakutake.co.jp/lineup/detail/ichifusa.php

高橋酒造株式会社

白岳しろ40周年記念!浜松町に“おつかれさま。”様々な方に寄り添う想いを巨大看板に掲出

高橋酒造株式会社(本社:熊本県人吉市、代表取締役社長:高橋光宏)は、本格米焼酎「白岳しろ」の発売40周年を記念し、2025年11月21日(金)より東京都港区浜松町の「エムプレスビル」に大型ビル看板広告を掲出いたしました。

【掲出の背景・目的】
40年の感謝を込めて、働く人々へ”おつかれさま。”のメッセージ
「白岳しろ」は1985年の発売以来、日々頑張る人々の”おつかれさま”のひとときに寄り添い続けてきました。40年という歳月の中で、時代は大きく変わり、働き方も変化しましたが、一日を頑張った後に感じる「おつかれさま」の瞬間は、今も昔も変わりません。発売40周年を迎える本年、ビジネスパーソンが行き交う東京・浜松町の地に、40年間支えてくださったお客様への感謝と、これからも変わらず寄り添い続けるという想いを込めた大型看板を掲出いたします。

かつての歴史あるエリアへの再登場
高橋酒造は、かつて同エリアに看板を設置していた歴史を持ちます。今回、40周年という節目に再びこの地に戻り、東京で働く方々、東京を訪れる方々に「白岳しろ」の魅力を発信してまいります。
東京モノレールの車内からもご覧いただける「おつかれさま。」の看板を通じて、一日を終えた多くの方々に、ふとした瞬間のやすらぎを感じていただければ幸いです。

【掲出概要】
<掲出開始日>
2025年11月21日(金)~
<掲出場所>
東京都港区浜松町2-9-6 エムプレスビル
<看板サイズ>
・正面:高さ10,000mm×幅9,000mm(90.00㎡)
・側面:高さ10,000mm×幅5,000mm(50.00㎡)
<キャッチコピー>
「おつかれさま。」
<視認ポイント>
・JR浜松町駅から徒歩圏内
・東京モノレール車内から視認可能
・羽田空港アクセスルート上に位置

【看板の特徴】
抜群の視認性
・高さ約10m×幅約10mの大型サイズで、浜松町エリアで高い存在感を発揮
・JR浜松町駅から徒歩圏内、東京モノレール車内からも視認可能
・羽田空港と都心を結ぶ東京モノレール利用者(ビジネス・観光客)へ訴求
心に響くメッセージ
「おつかれさま。」という温かいメッセージで、日々頑張るビジネスパーソンや東京を訪れる方々の心に寄り添います。

【商品概要】
40周年を迎えた高橋酒造の代表銘柄。
どんな料理にも合い、素材本来の良さや味わいを引き出す食中酒です。上品な香りと軽やかな口あたり。そして透明感のあるすっきりとした味わいの淡麗タイプ。ロック、水割り、ハイボールはもちろんですが、お茶やウーロン茶、トマトジュースで割るのもおすすめです。

■白岳しろ 商品概要
参考小売価格:1,405円(税込)
商品名:本格米焼酎 白岳しろ 720ml
発売エリア:全国、HAKUTAKE ONLINE SHOP
分類:本格焼酎
原料:米(国産)、米こうじ(国産米)
内容量:720ml
アルコール度数:25度
蒸留方法:減圧蒸留

▼商品詳細はこちらから
https://www.hakutake.co.jp/lineup/detail/shiro.php

第253回 願い茸

 ある村に仲の良い若夫婦がいた。ヒデとアサだ。朝早くから日暮れまで野良仕事で楽しく働いた。時々、二人して村の市に顔を出し愛嬌を振りまいて作物を売っていた。笑顔の絶えない二人は、これ以上の幸せはないように見えた。
 だが悲劇はある日突然にやってきた。村が大雨に襲われた。鉄砲水でアサが流れそうになったとき、アサを救うためにヒデが身代わりとなり亡くなってしまったのだ。
 残されたアサの生活は一変した。アサの頬はげっそりと落ち、外にも出られず、日々泣いて暮らすようになった。そして、口を開けば自分の代わりに亡くなった夫のヒデのことばかり。「もう一度、会いたい。私が先に死ねばよかった」と。その様子に隣家の人々も声をかける。「何かわしたちに出来ることはないかねぇ」
 するとアサは、つらそうに言った。「もう一度、アサに会いたいです」
 隣人の家族は肩をすくめ、眉を寄せあった。
「こればかりはの。死んだ人を生き返らせる方法はないよ」
 すると、隣人の妻がこう言った。
「願いをかなえる幻を見せるキノコがあるというよ。村はずれのナバナバ山には秋に何百種類というキノコが生えるけど、その中に願ったものの幻覚を見せてくれるキノコがある、と聞いたことがある。それを探したらどうだ」
 アサはかすかな希望を抱いた瞳になった。
「それは、どんなキノコですか?」
「うん。聞いた話だ。死者を蘇らせるキノコじゃない。願う幻覚を見せてくれる願い茸だと。満月の夜、ナバナバ山のドンゾコ谷に一本だけ白く光るキノコが生えるという。それを採って、炙って、願いを唱えながら食べるんだ。一年に一本しか生えないという。見つけられたら、ええな。願いはヒデさんに会えることだな。ひょっとしたら会えるかもしれん。じゃが幻覚のヒデさんだけどな」「ありがとうございます」
 キノコの季節、満月の夜、アサはドンゾコ谷へ行った。闇の中に一本だけ白く輝くキノコがあった。アサは歓び、そのキノコを採って持ち帰った。そして聞いたとおり、そのキノコを炙り、食べる。そして夫の名前を口にした。するとアサの周囲の風景が溶け始める。すると目の前に一人の男が立っていた。夫のヒデだった。ヒデはやさしい笑みでアサに言った。「やぁ。なつかしいなぁ。会いに来てくれたのか!」
アサは感動に胸を震わせた。だが、これは現実ではないことも承知していた。これは願い茸が見せる幻覚なのだ、と。しかし「そうよ。とても会いたかったから」と言う。ヒデは嬉しそうに微笑む。気がつくと、あたりは二人の働いていた畑になっているではないか。
「じゃあ、日が高いうちに野良仕事すませるか」とヒデ。「ええ」とアサは答え、かつてのように二人で畑仕事をこなす。あたり前と思っていた時間がこんなに充実した貴重なものだったのだとアサは実感していた。でもこれは願い茸の幻覚だ。現実ではない。するとヒデの表情が変る。
「このくらいかな、アサと過ごせるのは。アサを悲しませたくないが、本当にごめん」とヒデは頭を下げた。「あやまらないで。でも、あなたと一緒にいたい。ナバナバ山には色んなキノコがあるという。そこで苦しまずあなたの所に行ける毒キノコを探してみるわ」
「それは駄目だ」とヒデは言う。「アサは生きろ。私はアサの胸の中に残る。私がいた時のように畑仕事をして好きな唄を口ずさんでいたら、私をまだアサの心の中で感じれる筈だ」ヒデはアサの腕を離そうとした。消えかけながら。アサは必死でヒデの手を握った。
「お願いがあります。だったら、これからあなたが私の胸の中にいるって私に誓って。そして、そのことを私に感じさせていて」
「約束する。アサの胸の中にいると誓うよ」
 次の瞬間、夫の姿はどこにもなかった。
 それからのこと。村の人々は、彼女が少し変ったことに気がついた。朝から野菜を市に持ってくるとき、以前のような暗さは消えていた。夫を亡くしたときは蒼白かった顔色にも、少しばかり赤みが戻っているようだった。一人でいる彼女の背後に近付くと、彼女の鼻唄さえ聞こえていたほどだ。
 隣人たちは、自分たちが願い茸の噂をアサに教えたことなど、もう忘れていた。
 隣人たちも、その世代が変り、アサの若い頃のことを知る者もいなくなっていた。
「最近、アサさんはひとりごとが多いのね。隣で聞いて、びっくりしてしまうよ」
若い隣人がそう言うとアサは笑って答えた。
「ああ、昔のことを思い出して話していたのよ。忘れないように」
「誰と?」と尋ねると、女は自分の胸に手をあてて、少し微笑んでみせたという。
 若い隣人は、くわしくはよくわからなかったが、一人暮らしのアサが幸せそうなら、それでいいのではないかと納得していたという。
 それからアサは日常の生活を続けていた。
 月は一つ、また一つと過ぎていきアサの髪に白いものが混じり始めた。夜になると縁側に座り、誰かと話しているかのように、ひとりごとを続けていたという。
 隣人が蜜柑を届けると、女は「これはヒデが大好きだったもの」と喜び胸に抱きしめた。
 年老いた女はあるとき体調を崩した。隣家の夫婦が介抱しようとしたが女はそれをはっきりと断った。「最後まで私はヒデと一緒にいれてよかった。あの人と寿命を共に終えられるなら幻覚でも本望ですよ」それが最期の言葉だった。遠くの夜空で星が流れた。
 山へ入っていった隣人の子が帰ってきたのが、そのときだった。「谷でキノコが光ってたよ。これ!何のキノコだろう。食えるかなぁ?」