カジシンエッセイ

第40回「私は、見た!!!!!の逆襲」

2008.03.03

前に、このブログで書いた「私は見た!!!」が予想外の反響で、驚いてしまいましたよ。
コメントをお寄せ頂いた方以外にも、ちゃんとブログを読まれたらしい方が「あれ、ほんとなんですかネェ?」と訪ねてこられる。
50代のサラリーマンの方が、波照間島で宇宙人に会ったり、くじゅう連山の坊がつる近くの山小屋でUFOを目撃した、という話の真偽についてです。
ほんとなんですかネェと、私に訊ねられても困ってしまいますよ。私が目撃したわけじゃないんだから。
「いやぁ。話を聞いて、あんまりおかしかったので、晒してやろうと思っただけであります。真実?どうでもいいじゃありませんか。世の中には、おもしろければそれでいい!ということも、存在するのです。信じようと信じまいと」
そうお答えしておりました。
さて、今回は、その続編です。

また例の、宇宙人遭遇の50代サラリーマン氏と酒を飲む機会がありましたよ!
私も、エチケットと思い、このブログで紹介した話をいたしました。
しかし、私は自分の感情を押し殺して話すのが、非常に下手っぴーな人間なのです。ブログで紹介したと話す私の表情は、笑いを噛み殺したようなヘラヘラ顔になっていたらしい。
その50代サラリーマン氏は、むきになりました。
「あっ。私の話を信用してませんね!」
慌てて「してます。してます」と答えて、あっ、しまった、まるで白岳のコマーシャルではないかと。
「でも、もっと凄い話があるんですよ!」
そう50代サラリーマン氏は切り出したのです。ちなみに、彼は、某広告代理店勤務であります。その仕事関係の友だちの女性が、不思議なできごとに出会ったらしい。
それは聞かないわけには、いかない。
「ぼくの知り合いの福岡の女性の体験ですけどね。これは凄いですよ」
「えっ、どんなんですか?教えてください」
「聞きたいですか?」
「聞きたい、聞きたい」
そこで、彼は一瞬ためてから言いました。

「広告代理店に勤めている知り合いなんですが。
福岡の油山を歩いていて、宇宙人に拉致されたそうです」

私は耳を疑いました。まさか!そんなことが、現実に起こっていたなんて。
「エエエエエッ。アプダクションですか?で、その方は、どうなったんですか?」

「無事に解放されたんですが、心に深い傷を受けてしまったそうなんです。ショックで立ち直れなくなるほどに」

「えっ。というと、宇宙人たちに何かされたんですか?」

私の想像世界では、その女性の身体に装置をインプラントされたり、洗脳実験をされたりという光景が浮かんでました。

「そう‥‥。宇宙人に身体検査をされたそうです。
そのとき、宇宙人に言われたそうです。
あなた、毛濃いですね!って。
それで、凄く心が傷ついたみたいなんです。もう立ち直れないって、言ってました。」

申し訳ないが、またしても、私は大笑いしてしまいました。
腹の皮が、よじれて、痛い、痛い。この話が本当なら、宇宙人は確かに高等な心理戦術を駆使していることになりますね。
もちろん、その五〇代サラリーマン氏は、
今回も、いたって真面目顔でありましたよ。

カテゴリー:SF

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